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【腎臓の基礎知識】腎臓と血圧の関係や健康診断での数値のみかたを紹介しています。

 2016/11/17 糖尿病 腎臓 高血圧
この記事は約 9 分で読めます。 28 Views

腎臓は、尿を作るほかにも、血液の量の調節体液の量を調節血圧の調節など、
人間にとって大切な、さまざまな働きをしています

腎臓は肝臓とおなじで、「沈黙の臓器」といわれ、多少わるくなってもなかなか自覚症状がない
ことが多く、症状が出るころには、すでにかなり進行しているケースが多いといわれています。
また、メタボリックシンドロームとも深いかかわりがあります

ここでは、腎臓のしくみを紹介するとともに、健康診断での数値のみかたを説明していきたいと
おもいます。

腎臓の構造

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【イラストの解説】
左右のそら豆のかたちのオレンジ色…腎臓
左右の長いうすい黄色の管…尿管(腎臓でつくられた尿を運びます)
一番下のたまごのかたちをしたこい黄色…膀胱
膀胱の下からでている一本の管…尿道
青色のながい管…下大静脈
オレンジ色のながい管…大動脈

腎臓、尿管、膀胱、尿道を腎・泌尿器系といいます。

腎臓はそら豆を大きくしたような形をしていて、縦のながさが約10㎝、幅約5~6㎝、重さは120~150gで、
だいたい握りこぶしほどの大きさの臓器で、背中の両脇に2つあります。

毎分800~1000mlの血液が腎動脈より入って腎静脈へとながれていきます。
これは心臓で排出される血液の約1/5に相当します。

【下のイラストの解説】
腎臓からでるうすいグレーの管…腎静脈
腎臓からでるこいオレンジの管…腎動脈
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腎組織は被膜という膜におおわれていて、表面の近くが皮質といいます。
絵のなかの赤色の三角のかたちのものが髄質といいます。
絵のなかの腎臓からでている黄色の管のつけ根に腎盂(じんう)というところがあり、
腎臓でつくられた尿は腎盂に排出され、尿管にはこばれます。

腎臓からの尿のながれ

腎臓は左右1対あり、腎臓でつくられた尿は、尿管をとおって膀胱にためられ、尿道をとおって
体外に排出されます。

腎 臓

尿 管

膀 胱

尿 道

腎臓のはたらき

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腎臓は、血液からたんぱく質など必要なものを再吸収した後、尿をつくり体内の老廃物の排出や
体内の電解質の調整などをしています。

尿の生成

腎臓におくられた血液
↓輸入細動脈というところをとおる
糸球体というところにはいります。

血液から水やナトリウム、カリウム、ブドウ糖などがろ過されます。

このろ過されたものが原尿で、1日150mlほどつくられています。
この原尿内には、まだブドウ糖やアミノ酸など、体に必要なものがふくまれているため、原尿の約95%が
再吸収されます。

再吸収されなかった水分や老廃物などが、さらに数%吸収され、のこりの1%がいわゆる尿となって
腎盂(じんう)に集まり、尿管をとおって膀胱へ排出されるのです

血圧の調節

腎臓が血液をろ過して尿を生成して体外にだすというろ過機能は、糸球体にかかる圧力(血圧)
よって調節されています。

・腎臓に送られてくる血液の量がへる。
・交感神経が活性化する
↓ このようなときには…
レニンという酵素が分泌されます。

アンギオテンシノゲンに作用しアンギオテンシンという物質に変化させます。

血圧の上昇体液量循環血液量の増加がおこります。

・腎臓に送られてくる血液の量が増加する

カリクレインやプロスタグランジンという酵素が分泌されます。

血圧の低下や血圧を正常にたもとうとします

体液の調節

体液は、水と電解質の出入りによって調節されています。

体液の構造

人間の体は、60%が水で構成されています。
60%のうちの45%→細胞内の水分
60%のうちの15%→血液やリンパ液、組織液、腹水や脳脊髄液などの体くう液で、細胞外にあります。

細胞外液は、海水にきわめて近い性質をもっている0,9%の食塩水で、ナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの成分を、つねに一定にたもつように調整をおこなっていています。

この調節機能をホメオスタシス(恒常性維持機能:こうじょうせいいじきのう)といいます。

そして、この体液の調節に大きくかかわっているのが腎臓です。

水を多く摂取する

血液の濃度がさがります。

腎臓の尿細管での作用が抑制されます。

水分の再吸収が減少します。

うすい尿がでます。

水分がたりなくなる

水分の再吸収がおこなわれます。

こい尿がでます。
このようにして、体液の濃度を一定に保っているのです。

電解質のはたらき

電解質とは水にとけると電気を通す性質をもった物質で、ナトリウム、カリウム、カルシウム
マグネシウムなどのことです。

【人間がいきていく上で欠かせない重要な電解質のはたらき】

ナトリウム 体の水分調節など
カリウム 血圧の調節など
カルシウム 骨や神経、筋肉の働きに対して
マグネシウム 骨の形成など

このように腎臓には、神経の伝達や筋肉の収縮、骨の代謝などに作用するナトリウムやカリウムなどの電解質の濃度を一定に保つはたらきがあるのです。

その他の役割

・エリスロポエチンという造血ホルモンを分泌します

・骨の生成に必要な活性型ビタミンDをつくります

腎臓の働きが低下すると…

貧血や体のだるさをかんじたり、心臓に障害がでたりします。
また、骨がもろくなる骨粗しょう症を発症することがあります。
症状が悪化すると腎不全におちいり、最悪の場合は人工透析が必要となってきます。

腎不全のおもな症状

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1.むくみ、だるさ
体内に老廃物や余分な水分がたまり、むくみがでたり、体のだるさを覚えたりします。

2.吐き気や嘔吐、食欲不振、頻脈
電解質のバランスがくずれることによって、吐き気や嘔吐、食欲不振、頻脈などの症状がでます。

3.血圧があがる
腎臓の血液量が減少すると腎臓は血圧がさがったと勘違いをし、血圧を上昇させるホルモンが過剰に
分泌されて血圧があげります。

4.貧血になる
造血ホルモンの減少により、赤血球をつくる骨髄への指令がうまくいかず、赤血球が減少して貧血になります。

5.骨がもろくなる
骨の生成を促進する活性型ビタミンD3がつくられなくなり、小腸からのカルシウムの吸収がさまたげられ、
血中カルシウム濃度が低下して骨がもろくなります。

糖尿病・メタボの人は要注意!

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腎機能が低下する慢性の疾患を総称して「慢性腎臓病」とよび、日本の患者数は1300万人以上と
いわれています。

とくに糖尿病の人は、慢性腎臓病へと移行するケースが多く、最悪の場合には、人工透析をしなくては
ならなくなるので要注意が必要です

また、慢性腎臓病はメタボリックシンドロームとも深いかかわりがあります。
メタボリックシンドロームと診断された人は、まずはメタボ改善に取り組むことが将来の
腎臓障害の防止につながるといえます。

健康診断での数値のみかた

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腎臓は肝臓と同様、沈黙の臓器といわれ、多少わるくなっても自覚症状がなかなかでないことが
多いといわれています。
症状がでる頃には、すでにかなり進行しているケースが多いので、健康診断で早期発見をしましょう。

尿たんぱく

尿たんぱくとは、尿にふくまれるたんぱく質のことです。

【腎臓が正常に機能している場合】

尿たんぱくは陰性(尿からたんぱく質はほぼ検出されない)です。

【腎臓病などの問題がある場合】

尿中のたんぱく質が多く検出されます。

疑われる疾患

腎臓病(慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症など)

尿路感染症、結石

溶結性貧血など

尿潜血(せんけつ)・尿沈査(ちんさ)

腎臓や尿管、膀胱や尿道など尿の通り道である部位に出血があると尿中に血液がまじります。
尿潜血は、肉版では確認できない尿中の血液を検出するための検査です。
潜血がみられた場合に陽性と判定されます。

ただし、尿潜血は腎臓病以外の疾患や過労でも陽性をしめすことがあるので、尿を遠心分離機器に
かけたときに沈殿してくる赤血球や白血球、細胞、結晶成分などの固形成分をしらべる尿沈査
おこなって、臨床診断することになります。

疑われる疾患

腎臓、尿路系の炎症

腎臓、尿路結石

腎臓がん

溶血性貧血など血液の病期

血清クレアチニン

クレアチニンは、たんぱく質が分解・代謝されてできた老廃物です。

基準値→男性1.10mg/dl以下、女性0.80mg/dl以下。

要精密検査→男性1.40mg/dl以下、女性1.10mg/dl以上。

正常であれば、クレアチニンの一部は腎臓でろ過され、尿とともに排泄されますが、腎機能が低下すると
血液中にあふれ出てきます。

ただし、クレアチニン産出量は筋肉量に比例するため、筋肉量が多い男性は女性にくらべてやや高めの
基準値となっています。

あきらかな腎障害があってクレアチニンの数値が高くなってきた場合
タンパク質摂取の制限

減塩

飲酒量の制限

禁煙
などの生活習慣、食生活の改善をおこない、数値の改善を早期におこなうことが必要です。

疑われる疾患

腎臓病

心不全

肝硬変

筋ジストロフィーなどの筋肉の病期

尿崩症

尿素窒素(BUN)

たんぱく質が分解されたときにできる物質のひとつが尿素窒素です。

基準値→8~21mg/dl

正常であれば、尿素はすべて腎臓から排出されますが、腎臓の排泄機能が低下すると血液中に
尿素がたまる
ため、血液中の尿素を測定すれば、腎臓の排泄能力を判定できます。

ただし、食事でとったたんぱく質の量に左右されるため、たんぱく質のとりすぎでも数値が
あがる
こともあります。

カロリー不足によって体内のたんぱく質(筋肉など)がつかわれた場合、脱水、消化管出血などが
あるときにも数値は上昇します。

このように生理的反動の影響をうけるものなので、クレアチニンや尿検査などの検査結果と
あわせて判断されます。

腎機能低下の要因

塩分過剰の場合

血圧上昇

腎臓の負担が大きくなり、腎機能が低下します

たんぱく質過剰の場合

体内の有害な老廃物が増加します。

腎臓の負担が大きくなり、腎機能が低下します

エネルギー不足の場合

筋肉量が減少します。

体内の有害な老廃物が増加します。

腎臓の負担が大きくなり、腎機能が低下します

エネルギー過剰の場合

肥満

体内の有害な老廃物が増加します。

腎臓の負担が大きくなり、腎機能が低下します

このように高血圧や肥満も腎臓にかなり負担をかけてしまいます。
まずは、血圧の改善、メタボ改善、糖尿病の改善にとりくみ、血液検査などでチェックをしつつ、
将来的な腎臓障害の防止につなげていただけたらとおもいます。

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ライター紹介 ライター一覧

hamamoto

医学の大好きなHAMAMOTOです。
病気や健康について、皆さまに分かりやすく紹介していきたいと頑張っています!(^^)!
現在、鍼灸治療院を経営し、皆さまの健康にたずさわっています。
平成13年に整体師として治療院をしつつ、平成16年にアロマコーディネーターの
資格を取得しました。
鍼灸治療院を開業したのは、2016年5月ではございますが、患者さまの治療と
皆さまへの健康にかんする情報発信に頑張っていきたいと思っています!
鍼師免許 第171865号
灸師免許 第171571号
ウェブサイトURL:http://health-life.tokyo/
メールアドレス:koume3086@gmail.com

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