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【頭部外傷の基礎知識】種類や症状、後遺症を紹介しています。

脳血管障害
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人生において、誰でも一度くらいは頭をぶつけたことがあると思います。
頭をぶつけてできる怪我(頭の皮膚や頭蓋骨の損傷、脳の損傷)を、医学的には「頭部外傷」と呼びます。

交通事故、スポーツや、酔っぱらって転んだときなど、思いがけない力で頭をぶつけた場合、生命の危険に
さらされることもまれではありません。

脳は、かたく分厚い頭蓋骨によって外傷からまもられています。
また、脳脊髄液をふくむ組織の層(髄膜)に覆われており、これがクッションの役目を果たします。
このおかげで頭をぶつけても、多くの場合、脳は傷つくことがありません。

脳への影響がない頭部外傷は軽症とみなします。
頭部外傷による脳の損傷(外傷性脳損傷TBI)は重症とみなします。

日本人の頭部外傷数は年間およそ28万人と推定されています。
死亡原因の統計上、”不慮の事故による死亡”は第5位、死亡総数の4%を占めるとされますが、この中でも
交通事故死が非常に重要となっています。
交通事故による頭部外傷の死亡率はおよそ5%で、逆に頭部外傷死の原因の60%は交通事故によります
その他の原因として高齢化にともなう、高齢者の転落、転倒、幼児虐待などが挙げられます。
ここでは、頭をぶつけた時に頭の中で起きうることと、注意しなければならないポイントを分かりやすく
解説します。

損傷の分類

頭のどの部分に損傷をうけたかによって、分類がことなってきます。
まずは、頭皮から下には何があるか、その部分での損傷とはどのようなものなのかを説明します。
①頭の一番外側(頭皮)

②帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)

③腱膜下組織(けんまくかそしき)

④骨膜・骨

⑤膜(こうまく)

⑥くも膜

⑦軟膜(なんまく)

⑧脳

①~③に打撲などで損傷をおったものを軟部(なんぶ)組織損傷といいます。
軟部組織で血腫が形成されると、いわゆる ”たんこぶ”となります。
これは、自然に血液が吸収されるため基本的に治療は必要ありませんが、血腫が巨大な場合には
治療が必要となってきます。

また、分娩時におこる新生児の帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)下血腫では、大量出血から死に
いたる恐れがあるので、輸血が必要となってきます。

④に損傷をおったものが頭がい骨骨折です。
⑤~⑧に損傷をおったものが脳損傷

頭部外傷には一次性損傷と二次性損傷の2種類にわけられます。
・一次性損傷
交通事故などによる外部からの直接的な衝撃をうけることで損傷がおきるものです。
種類としては、次のようなものがあります。
・軟部組織損傷
・頭がい骨骨折
・脳損傷(頭がい内血腫や脳挫傷など)

・二次性損傷
一次性損傷による出血や浮腫(むくみ)などが脳組織を圧迫して損傷がおきるものです。
種類としては、次のようなものがあります。
・頭がい内圧亢進
・脳ヘルニアなど

また、外傷によって傷ができたときに、傷がふかく脳と外界が交通しているかによっても開放性
閉鎖性にわけれれます。
・開放性→強い衝撃により骨折し、皮膚や筋肉、血管などにまで損傷を与え、外部に飛び出している
もので骨折部と外界が直接交通してしまっているものです。

・閉鎖性→脳が外界と交通していないものです。
開放性頭部外傷では頭がい内感染のリスクが高くなり、髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎などになることが
あるため、早急な外科的治療が必要となります

頭部外傷による死亡の原因

頭部外傷では、直接的の脳が損傷されて致命的となることが多く、さまざまな経緯で死亡にいたるリスクが
たかくなります。

一次的な死亡原因としては、頭がい内出血によるものがもっとも多く(50%)、その次に、脳幹部損傷
開放性頭部外傷による出血性ショックが多いといわれています。

頭がい内出血
頭がい内出血から死亡にいたるまでのながれを説明します。
頭がい内出血では、血腫などによって脳が圧迫をうけます

脳の循環不全がおこり、腫脹(炎症などが原因で腫れあがること)して、さらに周辺を圧迫します。

低酸素脳症(脳に酸素がいきずらくなります)

脳浮腫(脳にむくみがおこります)

頭がい内圧亢進(頭痛、悪心、嘔吐などの症状がでてきます)

脳ヘルニア(脳が正常な位置から押し出された状態で、さまざまな神経症状がおこります)

脳幹部圧迫

死亡

開放性頭部外傷
出血性ショックによるものが多く死亡にいたります。
その他にも、感染症中枢性嘔吐による吐物の誤嚥(ごえん)でおこる窒息なども死の原因となります。
誤嚥(ごえん)とは…
本来は食道を通って胃の中に入らなければならないものが、 誤って気管内に入ることです。

症 状

軽症の頭部外傷では頭痛やめまいがおこることがあります。
重症の頭部外傷では、意識を失ったり、脳機能障害の症状が現れたりすることがあります。
重症の頭部外傷の治療では、脳に十分な酸素を供給することや、脳圧を正常に保つことが目標になります。
軽症の症状と重症の症状をもう少し詳しく説明していきます。

軽症の頭部外傷

頭にこぶができることがあります。
頭皮の表面に近い場所には多くの血管があるため、頭皮が切れると大量に出血します。
そのため、頭皮の外傷は実際以上に重症にみえます。
頭痛、目が回る感じやふらつきなどの症状もよくみられ、人によっては吐き気が生じることもあります。
小児では嘔吐が多くみられます。

脳しんとうは精神機能が一時的に変化することをいい、脳の構造に損傷はみられません。
多くは、少しの間(通常は2~3分間以下)意識を失いますが、場合によっては錯乱が起きたり、外傷を
負った前後の出来事を一時的に思い出せなくなったりする(健忘症)こともあります。

脳しんとうが起きた後しばらくの間は、頭痛やめまい、疲労、記憶力の低下、集中力の低下、睡眠障害、
思考障害、イライラ、うつ状態、不安が生じることもあります。
こうした症状を脳しんとう後症候群といいます。

重症の頭部外傷

重症の頭部外傷では、病態の変化がいちじるしいため、原則入院とし、ICUで継続的な観察が必要となります。
症状としては、 軽度の頭部外傷と同じような症状が起こることがあり、頭痛などの一部の症状は重くなる
こともあります。
最初に一時的な意識消失がみらることが多く、この症状は頭部に衝撃を受けた瞬間におこります。
持続期間は人によってことなり、数秒後に意識がもどることもあれば、数時間から数日間にわたって目を
さまさないこともあります。

意識が戻ると、多くは眠気や錯乱、落ちつきのなさ、興奮がみられ、嘔吐やけいれん発作あるいは両方が
おこったり、平衡感覚や協調運動が損なわれたりすることもあります。
脳のどの部分が損傷したかによって、思考能力、感情の調節、運動、感覚、言語、視力、聴力、記憶などに
障害が現れ、この障害は一生残ることもあります
頭蓋骨底部の骨折があると、透明な液や血液が鼻や耳から出てくることがあります

脳が損傷すると、出血腫れが生じます。
出血や腫れによって脳が大きくなっても頭蓋骨は広がらないため、脳にかかる圧力が徐々に高まります。
圧力が高まるにつれて、患者の症状が悪化し、新しい症状がでてきます。
症状の変化を紹介していきます。

【頭蓋骨内の圧力が高まったときの初期症状】
頭痛の悪化や思考障害、意識レベルの低下、嘔吐などです。

刺激に対する反応が失われ、瞳孔が開きます。

外傷から1~2日以内、圧力上昇により脳が下方に押し下げられ、脳の仕切りにある開口部から脳組織
が異常に突出する脳ヘルニアが起こります

心拍や呼吸などの生命維持機能をコントロールしている脳幹(脳の下部)が過剰に圧迫されます。

昏睡状態

死亡

重症の頭部外傷の見分けかた

ほとんどの頭部外傷は深刻なものではありません。
深刻な外傷は特定の症状によって見分けられ、これらの症状は脳機能の悪化をしめすものです。
下記のような症状が現れている場合は、成人でも小児でもすぐに治療を受けるべきです。
• 嘔吐、顔面蒼白、イライラ、眠気が6時間以上続いている
• 意識を失った
• 体の一部が動かない、または感覚がない
• 人の顔を見分けられず、周囲の状況が理解できない
• バランスを維持できない
• ろれつが回らない、眼のかすみ、視野の欠損など
• 鼻や耳から透明な液(脳脊髄液)が漏れ出る
• ひどい頭痛がある

一次性損傷

外部からの直接的な衝撃によって損傷がおこるものを一次性損傷といいます。
ここでは、一次性損傷にはどのような種類があるかを紹介します。

頭蓋骨(ずがいこつ)骨折 

頭蓋骨骨折とは、脳を取りかこむ骨が折れることです。

頭蓋骨骨折は動脈や静脈を傷つけ、脳組織周囲の空間に血液があふれ出すことがあり、頭蓋骨骨折のない
頭部外傷よりも脳に与えるダメージは大きくなります
しかし、頭蓋骨を骨折しても、脳まで損傷しないこともしばしばあります。
とくに頭蓋の後部や底部を骨折すると、脳をおおっている髄膜(ずいまく)が破れます。
まれに、骨折部位から細菌が頭蓋内へ侵入して感染症を起こし、脳に重大な損傷を与えることがあります。

頭蓋骨骨折の種類は、骨折の部位によってつぎのようなものがあります。
・円蓋部(えんがいぶ)骨折
・頭蓋底(とうがいてい)骨折
・視神経管(ししんけいかん)骨折
・眼窩(がんか)吹き抜け骨折

これらの骨折は、開放性骨折閉鎖性骨折にわけられます。
開放骨折は、強い衝撃により骨折し、皮膚や筋肉、血管などにまで損傷を与え、外部に飛び出している
もので骨折部と外界が直接交通してしまっているもので、閉鎖性は、脳が外界と交通していないものを
いいます。

閉鎖性骨折の場合は保存的治療で大丈夫ですが、開放性骨折の場合には、脳が外と交通していて感染の
リスクが高いので、すみやかに手術、脳内異物の除去、硬膜縫合(こうまくほうごう)などをおこなう
必要があります

円蓋部(えんがいぶ)骨折

円蓋部(えんがいぶ)とは、頭の正中のてっぺんのことです。
円蓋部(えんがいぶ)骨折とは、頭のてっぺんに強い外力を加わることによっておこる骨折で、代表的なものに
線状(せんじょう)骨折陥没(かんぼつ)骨折があります。

線状(せんじょう)骨折
骨折の線は、骨がうすく弱い部分にむかって走り、下方向に向かって線が走った場合は頭蓋底(ずがいてい)
骨折となってしまいます

骨折線が、中硬膜動脈のあたりにまでいくと硬膜外血腫をおこす可能性があります。

単純な線状骨折だけの場合には特別な治療は必要とされませんが、複雑な線状骨折の場合には、けいれん発作の
の予防や髄液の漏れを止めるために手術等が必要になることがあります。

陥没(かんぼつ)骨折
頭蓋内に陥没している骨折のことです。
折れた頭蓋骨の断片が脳を圧迫して傷つけることもあります。このような骨折を陥没骨折といいます。

陥没(かんぼつ)骨折では、外傷性てんかんをおこす可能性があります
また、小児では骨折をおこさない陥没となることがあり、ピンポンボール骨折といいます。

つぎのような場合には小児は注意が必要で、入院となることもあります。
・脳損傷の症状があらわれている場合
・短時間でも意識を失った場合
・症状やCT検査の結果から、頭蓋底部の骨折がうたがわれる場合
・乳児が骨折した場合
・児童虐待が疑われる場合

陥没(かんぼつ)骨折で、開放性のものは、緊急にや骨片や異物の除去をおこなう必要があります。
感染がうたがわれる場合には、3か月くらいの期間をあけて頭蓋形成術をおこないます。
閉鎖性陥没(かんぼつ)骨折でも、美容的な面から頭蓋形成手術をおこなうことがあります。

診断には3DーCTが、骨折の詳細な診断には有効です。
頭蓋骨骨折の診断には、MRI検査よりもCT検査の方が適しています。

頭蓋底(ずがいてい)骨折

頭蓋底とは、脳の入っている頭蓋骨(頭)の底の部分です。
頭蓋底(ずがいてい)骨折は、円蓋部(頭のてっぺん)からの骨折線が下方向にのびてきておこることが
多いといわれています。
他にも、顎(あご)への打撃、しりもちなどが原因となることがあります。

頭蓋底には多くの神経が走っていて、骨折がおこる部分によってさまざまな症状がみられます。
前頭蓋底(ぜんとうがいてい)の骨折
前頭蓋底(ぜんとうがいてい)の骨折では、つぎのような症状がおこります。
気脳症
頭蓋内に空気が進入し、貯蔵することにより脳圧亢進症状がおこり頭痛、悪心、嘔吐がみられます。

眼鏡(がんきょう)状の皮下出血
受傷後数時間~数日のうちに眼球のまわりがパンダの目のように赤紫色の皮下出血ができます。

髄液鼻漏(ずいえきびろう)・鼻出血
脳の表面をおおうう髄膜の間を流れている透明の脳脊髄液が、鼻からあふれでてきます。

その他の症状としては、嗅覚障害や視神経障害がおこり、においがわかりずらくなったり、視力の低下が
みられるようになります。

中頭蓋底(ちゅうとうがいてい)の骨折
中頭蓋底(ちゅうとうがいてい)の骨折ではつぎのような症状がおこります。
気脳症
頭蓋内に空気が進入し、貯蔵することにより脳圧亢進症状がおこり頭痛、悪心、嘔吐がみられます。

耳介後部の皮下出血
骨折後、数日して耳たぶの後ろにあざ(黒く変色)ができ、バトル徴候といいます。

髄液耳漏(ずいえきじろう)・耳出血
脳の表面をおおうう髄膜の間を流れている透明の脳脊髄液が、耳からあふれでてきます。

その他の症状として、顔面神経麻痺や感音性難聴(音がきこえにくくなる)があります。

後頭蓋底(こうとうがいてい)の骨折
後頭蓋底(こうとうがいてい)の骨折ではつぎのような症状がおこります。
項部、頸部の出血班
うなじやくびのあたりに内出血がおこります。

その他の症状として、咽頭の後壁に出血班がみられたりします。
まれではありますが、脳幹部の損傷がおこると呼吸抑制され死にいたるケースもあります

眼窩(がんか)吹き抜け骨折

眼窩(頭骨の前面にある,眼球の入っているくぼみ)より、大きい物体が眼窩部に衝突することによって
眼窩内圧が急激に上昇します。

そのようになると、眼窩壁にうすく抵抗のよわい部分に披裂(ひれつ)骨折がおこり、眼球運動が障害され
複視(物が二重にみえる)となります

視神経管(ししんけいかん)骨折

眼窩上外側部の打撃によることが多い骨折です。
受傷直後から、視力障害があらわれ、重症な場合には失明になる危険性があります

治療としては、頭蓋底骨折に伴う髄液漏(ずいえきじろう)あるいは脳神経麻痺に対する治療が行われます。
髄液漏(ずいえきろう)に対しては、1〜3週間程度の絶対安静により頭蓋底からの髄液ながれでてくるのを
おさえ癒着(ゆちゃく)による漏孔の自然閉鎖をまちます。

外傷性髄液漏(ずいえきろう)の50〜80%は1〜3週間以内に自然に止まるとされています
また、髄膜炎に対する抗生物質の点滴注射を行うことがあります。
腰から脳脊髄液を抜く処置を併用する場合もあります。

日本のガイドラインでは、つぎのような症状になると手術適応としています。
・1〜3週間の絶対安静を行っても髄液漏(ずいえきろう)が止まらない時
・いったんは止まった髄液漏が再発した場合
・髄液漏(ずいえきろう)が遅れて起こった場合

これらの場合には、開頭硬膜形成術(かいとうこうまくけいせいじゅつ)で、断裂した硬膜の縫合閉鎖が行われます。
内視鏡をもちいた経鼻的修復術が行われる場合もあります。

脳神経麻痺に対しては、傷ついた脳神経の障害を抑えるため、通常はステロイド薬などによる薬物療法が行われます
視神経管骨折に対しては、骨折による脳神経の圧迫・損傷を取り除くため、手術が行われる場合があります。
脳神経麻痺の予後は、損傷を受けた脳神経の種類により違ってきます。

急性頭蓋(ずがい)内血腫

頭部外傷などにより頭蓋内で出血が起こり、血腫(血のかたまり)を形成したものを急性頭蓋(ずがい)内
血腫
といいます。
血腫の増大により脳が圧迫させるため、神経症状が現れることがあります。

頭蓋内の出血によりつぎのようなことがおこります。
頭蓋骨には伸縮性がないため、頭蓋内で出血が起こると頭蓋内圧が亢進します

脳を圧迫

脳ヘルニアをおこします。

死に至る

このようなことにならないためにも、早期に診断し、血腫を除去する必要がある。

治療法
治療の基本は開頭手術による血腫の除去です。
意識障害、頭蓋内圧亢進、正中偏位(血腫により脳が正常な位置から移動する)などがみられると手術が
必要になります。

血腫が広範囲であったり脳浮腫がみられたりすることがあるので、大きく開頭しなければなりません。
また、血腫を除去した後、術後の脳浮腫が強くなることが予想される場合には外減圧術を行いますが、
外減圧術が対応できない重度の脳浮腫が予想される場合には内減圧術を行います。

外減圧術とは…頭蓋骨を一部切除することにより頭蓋内圧を低くする手術です。
内減圧術とは…受傷した脳の一部を切除して減圧する手術です。

急性頭蓋内血腫は血腫のできた位置で、急性硬膜外血腫急性硬膜下血腫脳内血腫と3つに分類されます。

急性硬膜外血腫(きゅうせいこうまくがいけっしゅ)


急性硬膜外血腫(きゅうせいこうまくがいけっしゅ)とは、硬膜と頭蓋骨との間に血腫が形成された状態の
ことです
通常、頭部外傷にともなう頭蓋骨骨折に合併し、頭部外傷としてはきわめて重症に分類されます。

硬膜をはしる中硬膜動脈が外傷によって破綻すると急性硬膜外血腫をおこします。
その時、血液は頭蓋骨と硬膜のあいだに溜まってしまい、血腫を形成してしまいます。
硬膜と頭蓋骨は比較的みつに結合しているので、血腫は広がりにくいといわれています。

症状経過
受傷直後には意識障害がおこります。

数分~数時間意識が回復します。【意識清明期(いしきせいめいき)】

・ふたたび、意識がおかしくなり、脳ヘルニア症状がみられます。
・頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔吐など)
・血腫の反対側に片麻痺がおこります。

呼吸停止・心停止となり死にいたることもあります。

意識清明期(いしきせいめいき)のみられるのもは、約15~60%あり、受傷部位や重篤度などによって
さまざまですが、脳挫傷をともなう場合には意識清明期(いしきせいめいき)がみられないものもあります。
また、脳ヘルニアがおこる前に血腫の除去や止血をおこなうことができれば、予後は良好といわれています。

治療法
診断や治療法の選択にはCT検査が必須です。
受傷直後には血腫が形成されていなかったり、少量のこともあるため、経過をおって繰り返しCT検査をおこない
再出血の有無を観察する必要があります。
治療としては、緊急に開頭し血腫除去、止血を行う必要があります
また、脳浮腫に対してはグリセリンを使用します。

急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)

急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)とは、硬膜とくも膜の間に血腫が形成された状態のこと
で、頭部外傷としては重症に分類されます。
硬膜とくも膜の間の結合はよわく、血腫がひろがりやすいといわれています
急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)は、児童虐待の死因の第1位となっています。

また、急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)は、おもに脳表の動静脈の破綻によって血腫が
おこる(約65%)、その他に、架橋(かきょう)静脈が出血し、硬膜とくも膜の間に血腫を形成するものが
あります。

架橋(かきょう)静脈は、くも膜下腔をはしり、硬膜下腔を通過して上矢状静脈同といところに開口する
静脈です。

症状経過
受傷直後から意識消失をしていることがあります。(50~60%)
ときには、意識清明期(意識がもどるとき)がみられることもあります。

受傷後に意識が混濁となって、脳ヘルニア症状がみられることがあり、最終的に呼吸停止、心停止となって
死にいたることもあります。
急性硬膜外血腫とくらべて脳浮腫や脳腫脹のていどがおもく、血腫の増大も急速です。
また、重症な脳挫傷や脳内血腫をともなうことがおおく、予後はきわめて不良です。
動脈からの出血がおこった場合には、急速に悪化し、血腫の増大とともに意識レベルの低下がみられます。

治療法
急性硬膜化下血腫では、血腫がゼリー状にかたまり、脳表面を覆った状態となります。
治療としては、緊急に開頭しかたまった血腫の除去をして、出血しているところの止血をおこないます。

脳浮腫が大きくなると脳ヘルニアの危険性がたかくなるので、薬剤グリセリンを使用します。

脳挫傷を伴う症例では、血腫除去の他にステロイドの脳圧下降剤を投与して、挫傷脳の切除や減圧開頭術の
併用もおこなわれます。
手術適応の有無は、症例ごとの状態や血腫の大きさ、脳挫傷の程度により決定されます。

予 後
症例にもよりますが、早期に開頭血腫除去術をおこなっても、脳挫傷や外傷性クモ膜下出血を併発している
場合では予後不良が多いといわれています。
脳挫傷を伴う症例の予後は血腫量だけでなく、脳挫傷および続発する脳浮腫の程度によって左右されます。
静脈の断裂による場合では一次的損傷が少ないにも関わらず、とくに乳幼児の場合には、出血が急速で
あれば予後は極めて不良となります。

脳挫傷(のうざしょう)

脳挫傷(のうざしょう)とは、頭部を強打するなどで外傷をうけたときに、頭蓋骨内部で脳が衝撃をうけて
脳が損傷し、浮腫(むくみ)などをおこした状態のことをいいます。

脳挫傷には、直撃損傷対側損傷があります。
直撃損傷
打撃側に生じる損傷をいいます。
頭蓋が打撃をうけ動きをとめても、脳は頭蓋骨に衝突し、打撃を受けた側の脳が損傷をうけます。
対側損傷
反対側に生じる損傷をいいます。
脳の移動により頭蓋腔内に陰圧がおこり、ひっぱられて対側の脳や血管が損傷をうけます。

また、脳挫傷では頭蓋骨骨折や頭蓋底骨折を同時にうけていることが多く、脳内出血などを併発する場合が
多いといわれています。
嘔吐・意識障害・運動知覚麻痺・痙攣(けいれん)発作・視野の欠損などの症状が起き、重症では昏睡状態に
なることもあります。
治療と予後
損傷範囲が広い場合が多いので、原則的に手術などは適さず、保存的治療が試みられます。
しかし出血が多い場合などに手術などを要することもあります。

治癒した後、運動機能障害・失語・視力障害、精神的症状などの後遺症が残ることも多いといわれています。
小範囲、限局性の脳挫傷の予後は良好ですが、挫傷が広範囲だったり、挫傷脳中に巨大な脳内血腫を形成
したした場合は予後不良となります。
脳内血腫の合併をふくむ昏睡状態の重症脳挫傷では、致命率は44%、社会復帰は31%程度といわれています。

びまん性脳損傷(びまん性軸索損傷)

頭部外傷のうち、受傷直後から6時間を超えた意識消失がある場合を、臨床的にびまん性軸索損傷と
定義しています。
びまん性脳損傷または、びまん性軸索損傷(DAI)とは、脳全体に回転加速の衝撃が加わった場合
(脳が頭蓋内で強くゆすられる状態)によって、神経線維の断裂がおこる状態のものをいいます。
ヘルメットを着用したオートバイ事故のように、頭部に直接の打撲がない場合でも、強く脳が揺れることに
より起こります。
びまん性脳損傷の検査では、頭部MRIで、神経細胞の軸索の断裂に伴う微小な出血やむくみや浮腫が
映し出されます。

頭部CTでは異常が確認できない場合、長期にわたって意識がないなどの重い症状があるのに頭部CTで
大きな異常がみられず、頭部外傷以外には原因が考えられない時はびまん性軸索損傷が疑われます。
そのようなときには、MRI検査をしますが、びまん性軸索損傷では微小な出血や浮腫がびまん性にみられます。

びまん性脳損傷の症状は、高次機能障害をおこしやすく、予後は意識障害の時間がながいほど、不良となります。
重症の場合は、脳の深部にある生命維持中枢(脳幹(のうかん))が直接侵され、呼吸が損なわれたり急死する
ことがあります

重症まではいかない場合でも、記憶障害、注意障害が主症状となり、物忘れが激しい、注意が散漫ですぐ気が
散るということが起こるようであれば、高次脳機能障害が疑われます

治療と予後
効果的な治療法はありません。
脳挫傷や血腫を合併していれば、それに対する治療を行います。
合併症をふせいで全身状態を保ち、二次的な脳の障害を予防して(脳への十分な血液や酸素の供給など)、
脳の回復を期待します。

予後は一般的に昏睡(こんすい)の持続時間に比例します
受傷から24時間以内に意識の回復がなくて脳幹の障害が認められる場合は死亡率が約6割といわれ、
生命が助かっても意識障害などの後遺症が残ります。
びまん性軸索損傷は高次脳機能障害をおこしやすく、知能や記憶などの後遺症を残しやすいとされています。

慢性硬膜下血腫(こうまくかけっしゅ)

軽い頭部外傷によって、微量の出血などが原因で、頭蓋骨の内側で脳を包んでいる硬膜と脳の間に、徐々に
血がたまって血腫になったものを慢性硬膜下血腫(こうまくかけっしゅ)といいます。
アルコール多飲者や中高齢者(おおむね50〜60歳以上)に多い特徴があります

軽微な頭部打撲(だぼく)をきっかけにして、脳の表面に微量の出血あるいは脳脊髄液(のうせきずいえき)が
たまって、その反応でつくられる膜から少しずつ出血が繰り返され、血腫が大きくなると考えられています。
きっかけになる頭部外傷がはっきりしないこともまれではなく、発生原因にかんしては不明な点が多いと
いわれています。。

高齢者に多く、記憶障害により外傷のことをわすれている可能性があるため、本人以外にも受傷歴を
確認することが必要となります。
外傷以外の原因として、抗凝固薬の使用やがんの硬膜転移なども原因になるといわれています

症状の現れ方は、頭部外傷の直後は無症状か頭痛程度の症状しかないことが多く、病院を受診しない
人がほとんどです。
このあと通常は3週間〜数カ月かけて血腫がつくられて、頭蓋骨の内側の圧が高まり(頭蓋内圧亢進)、
頭痛や吐き気・嘔吐が現れます

また、血腫による脳の圧迫症状として半身の麻痺(片麻痺(かたまひ))、言語障害または尿失禁などが
初発症状のこともあります。
軽度の意識障害として、元気がなかったり(自発性の低下)、ぼけ症状(認知症症状)がみられることも
あります。

これらの症状は、治療すれば改善するといわれていますが、血腫が増大していけば意識障害が進行して昏睡
(こんすい)状態になり、さらに血腫による圧迫が脳ヘルニアの状態にまで進行すると、深部にある生命維持中枢(脳幹)が侵され(呼吸障害など)、最終的には死に至ります。

【硬膜化血腫の症状と経過のまとめ】
軽度の頭部の外傷をうける

硬膜の下に微小な出血がおこる

血腫のまわりに外膜・外膜が形成される

外膜が繰り返し出血し、血腫が大きくなる

軽い頭痛がおこる

認知障害、片麻痺、尿失禁などがおこるようになる

↓  血腫が増大して、最悪の場合

意識障害の進行

昏睡

↓  血腫による圧迫が脳ヘルニアの状態まで進行

呼吸障害がおこる

死にいたる

きっかけになる頭部外傷の直後では、頭部CTで異常が認められないことがほとんどです。
症状が現れれば血腫によって脳が圧迫されているので、CTで診断されます。

治療法
血腫が少量で無症状の場合は、自然吸収を期待して経過観察とすることもありますが、通常は局所麻酔下
の手術がおこなわれます。
慢性の血腫はさらさらした液状のため、大きく頭蓋骨を開けなくても小さな孔(あな)から取りのぞけるので、
穿頭血腫除去術(せんとうけっしゅじょきょじゅつ)あるいは穿頭血腫ドレナージ術がおこわれます。

症状が重い(意識障害のある時など)場合は緊急手術、それ以外は症状に応じて通常は数日以内に
手術がおこなわれます。
脳ヘルニアの症状が現れるほど進行している場合を除き、予後は良好で、ほとんどは社会復帰が可能ですが、
軽い後遺症(片麻痺、言語障害や認知症症状など)がのこる場合もあります

また、高齢者では術後の合併症に注意が必要です。
経過が順調ならば手術直後から症状が改善し、1〜2週間以内で退院できます。
ただし、血腫の再発率は約10%とされ、再手術が必要になることがあります
この慢性硬膜化血腫は、漢方薬(五苓散:ごれいさん)が有効との意見もあり、投与されることもあります。

二次性損傷

一次性損傷による出血や浮腫などが脳組織を圧迫して損傷がおこるものを二次性損傷といいます。
ここでは、二次性損傷にどのようなものがあるかを紹介します。

脳ヘルニア

頭部外傷によって、頭蓋骨よりも内側(頭蓋内)に血腫や脳浮腫(脳のむくみ)がおこると、脳はかたい
頭蓋骨でかこまれて余計なスペースがないため、頭蓋内の圧が高まり(頭蓋内圧亢)、軟らかい脳は
すきまにむかって押しだされます。
組織が押し出されることをヘルニアといいます。

押しだされた脳は深部にある生命維持中枢(脳幹(のうかん))を圧迫し、呼吸や心臓の機能をそこなう恐れが
ありますので、早期の診断・治療が重要となってきます。

脳ヘルニアの症状
初期症状は意識障害瞳孔(どうこう)の異常です。
瞳孔不同(どうこうふどう)…一般的には、脳に障害のある側の瞳孔が開きます。
対光反射消失…光に対する瞳孔収縮の反応が失われます。

↓  進行すると

・呼吸が不規則で遅くなります(この前に異常に速い呼吸になることもあります。)
・瞳孔の異常は両側になります
除脳硬直(じょのうこうちょく)痛み刺激で手足を突っ張る姿勢を示すこともあります。

↓  さらに進行

呼吸が止まります。呼吸が停止したもっとも重症な例では、治療を行っても救命の可能性は低くなります。

脈が乱れ、血圧が下がります。

死にいたります。

検 査
意識、瞳孔(および除脳硬直など)の臨床症状から診断します。
原因の診断のため、頭部CTが必要となってきます。
急性のものでは、画像上では脳ヘルニアが確認しづらいものもありますが、症状が目立ってくると致命的です。
そのため、脳ヘルニアをうたがったら、画像での確認が困難な場合でも、早急に治療をおこなう必要が
あります。
一方、慢性の場合は、画像上ではわかりやすいのですが、症状はあまり見られません。

治療法
瞳孔異常の初期症状がみられたら、治療は一刻をあらそいます。
原因に対する治療が優先され、血腫があれば開頭血腫除去術(かいとうけっしゅじょきょじゅつ)が行われます。
脳ヘルニアが進行し、脳幹の機能が失われた場合は(たとえば呼吸停止)、手術の危険がたかく、開頭手術を
行えないこともあります。

血腫がないか少量の場合は手術の効果が低いため、薬物療法が選択されることが多く、頭蓋内圧亢進に対する
脳圧降下薬(グリセオールやマンニトール)の点滴注射が行われます。
頭蓋内圧亢進に対する特殊な治療法にはバルビツレート療法や低体温療法がありますが、副作用も大きいため適応は慎重に判断しなければなりません。

頭蓋骨を外す外減圧術(がいげんあつじゅつ)が行われることもあります。
予後は原因によりますが、一般的には症状の進行程度と、症状出現からの時間経過に比例して悪くなります。

頭部外傷の後遺症

頭部外傷の後遺症は、軽症であればとくに何もなく回復しますが、手足の麻痺、言葉の障害だけでは
なく記憶、やる気、感情という高次機能障害が残存することもあります。
まれに、頭部外傷後にてんかんを起こす場合もあります。

また、局所の脳や頭蓋骨が大きく破壊された状態 になったり、脳挫傷(のうざしょう)では、受傷部位から
後遺症の予測が可能です。

片側の前頭葉や側頭葉の前から数cmまでの範囲は、比較的後遺症をおこしにくい場所です。
前頭葉のいちばん後ろには手足を動かす運動中枢があり、損傷をうけた側と反対側の半身の麻痺(片麻痺
をおこします。

前頭葉の後ろには頭頂葉があり、頭頂葉のいちばん前には手足の感覚(体知覚)の中枢があります。
体知覚中枢(たいちかくちゅうすう)は運動中枢とせっして存在するため、通常は運動麻痺感覚障害
両方があらわれてきます。

そのほか、言語障害は一般に左の脳の障害でおこりやすいとされています
広範囲の損傷や、脳の深部の損傷では意識障害が後遺症として残ります。
重症の場合には、開眼はしていても意思の疎通ができず、運動や言語も損なわれた遷延性(せんえんせい)
意識障害(いわゆる植物状態)になります。

生命維持中枢(脳幹)の機能は保たれているので、呼吸や心臓機能に障害は認められず、脳死とはまったく
ことなります。

リハビリテーション

頭部外傷におけるリハビリテーションは急性期と回復期に分かれます。

急性期

頭部外傷の急性期では生命の危機や不安定な全身状態・意識状態などが認められ肺の損傷や手足の骨折を
ともなっていることが多く、集中治療室での全身管理や、二次的合併症の予防が重要となります。
急性期においての目標は、当然意識状態や全身状態の安定・改善です
これが安定すれば直ちにリハビリテーションを開始します。
この段階では昏睡や半昏睡状態であることが多いですがこの時期に感覚刺激を入れることが大事といわれています。

意識状態が低下している状態での大事なこと
・感覚刺激の入力
・車椅子やベッド上での姿勢・肢位(ポジショニング)
・手の位置を固定する装具などを用いた良い体の位置の設定
・筋や関節のストレッチによる二次障害の予防
この中でもとくに関節が硬くならないように注意を払う必要がありますし、長期間の寝たきりによる廃用症候
群の予防が大切となります。

また、可能であれば急性期においても患者さんの障害像を正確に把握し、日常生活を安定しておくるためには
何が問題かを検討することが重要です。
頭部外傷では運動麻痺や感覚障害などのほかに注意力や記憶力といった”見えざる障害”が隠れていることが多いため、にとくベッドの上で治療をうけているときには、目立たなくても実際に他人と会話をし、コミュニケーションをとるようになると目に付くようになるものもあります。

回復期

回復期では、全身状態の安定とともにより積極的に運動障害や高次機能障害に対して回復をうながしていく
ことが大事になります。
これらのアプローチには 、つぎのようなものがあります。
・運動機能へのアプローチ
・日常生活動作へのアプローチ
・認知機能へのアプローチ
・行動異常へのアプローチがあります。

認知機能での問題の多くは、簡単な課題や一つの指示であればこなせるけれども、複数の課題を同時におこなおうとすると途端にできなくなるというものが多いです。

これは考える過程(思考過程)での問題であり、職業復帰や就学への障害となることが多いため積極的に関わっていくことが重要です。

この状態では一度に処理できる情報量が低下し情報処理のための注意の集中が難しい状態となっているため、
情報量を小さくし、自動的に情報処理が可能となるよう繰り返し練習することが大事です。

行動異常へのアプローチとしては、行動異常を引き起こす原因としてつぎのようなものがあります。
・疲労やストレスへの耐性の低さ
・感覚の過負荷
・環境コントロールの欠如
・洞察の欠如
・記憶の欠如など
行動異常に対するアプローチでは好ましい行動を多くする目的で行動療法がもちいられることが多いです。

回復期においては認知機能障害がより重大な問題となってきます。
このことは頭部外傷の一般的な予後(病気の見通し)として、初期の昏睡や外傷性の健忘が長いほど高次脳機能障害が大きく、これらの回復は意思疎通や運動能力の回復にくらべ悪いためです。

頭部外傷は若い人に多いため、学業復帰や職業復帰など社会への再統合が重要となり認知障害や行動障害が
大きな阻害因子となり、経過が長くなるため退院後のリハビリテーションが必要となることが多いです。

頭部外傷のリハビリテーションの大切なゴールの一つとして、その人の運動機能・高次脳機能を必要な環境へ
適応させ、社会へ再参加させることが挙げられます。
ゴール設定を左右するものとしては高次脳機能障害の種類や程度、運動障害や感覚障害の種類や程度、合併症の種類や程度、行動や情緒の異常などが上げられます。

教育・職業へのアプローチ
頭部外傷はその主な原因が交通事故であり若年に多いため復学や復職の問題が重要となります
障害を総合的に判断し、将来的に問題となることを明らかにする必要があります。

また、地域社会での生活を送るうえで必要な買い物などの基本的技能を再獲得することも大事です。
金銭管理や買い物などの基本的技能から開始し、徐々に交通機関の利用など社会への参加に必要な技能の獲得を目指すことが重要となります。

回復の見通し
最終的にどの程度まで回復するかは、脳損傷の程度、年齢、意識障害の長さ、記憶障害の重症度などによって
変わります。
頭部外傷の一般的予後では移動や意思の疎通などの回復にくらべ、高次脳機能障害、行動異常などの回復は悪く最後まで大きな問題となることが多いのです。

とくに初期の昏睡期間が長かったり、認知機能の障害が大きい場合に後遺症の程度も大きくなる傾向があります。

回復の期間においても受傷後6ヶ月以降は回復が少ないが1年までは神経学的回復が見られるなどの報告があります。
また、社会性の回復に関しては10年以降も見られるといわれています。
職場復帰できるまで回復する場合もありますが、残念ながら重い後遺症が残る場合もあります。
いずれにしても、長期的な見通しをつけることは簡単ではありませんので、専門医に相談することも大切です。

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hamamoto

hamamoto

医学の大好きなHAMAMOTOです。
病気や健康について、皆さまに分かりやすく紹介していきたいと頑張っています!(^^)!
現在、鍼灸治療院を経営し、皆さまの健康にたずさわっています。
平成13年に整体師として治療院をしつつ、平成16年にアロマコーディネーターの
資格を取得しました。
鍼灸治療院を開業したのは、2016年5月ではございますが、患者さまの治療と
皆さまへの健康にかんする情報発信に頑張っていきたいと思っています!
鍼師免許 第171865号
灸師免許 第171571号
ウェブサイトURL:http://health-life.tokyo/
メールアドレス:koume3086@gmail.com

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