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【てんかんの基礎知識】乳児期発症のものから脳血管障害による成人発症のものまで紹介しています。

脳血管障害
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てんかんとは、大脳皮質の神経細胞のかじょうな興奮によっておこる、けいれんなどの発作性の症状を
くりかえす慢性疾患です。

発作症状をくりかえしはじめて「てんかん発作」といい、1回のみの発作は「てんかん発作」には
入りません。

てんかんは神経疾患のなかでもっとも頻度が高く、1000人に5~10人の割合で発症します。
てんかんの大半は、20歳までに発症(ピークは乳児期と思春期)していますが、最近では、
高齢化にともなって脳血管障害などによる「てんかん」が増加しているのです。

てんかんの分類

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てんかんの分類としては、てんかん発射(異常脳波)のおこる部位によるわけ方として
局所関連性てんかん全般てんかんにわけられます。

・局所関連性てんかん…てんかん発射が大脳の一部に限局して出現するものです。

・全般てんかん…てんかん発射が大脳全体に出現するものです。

病気の原因によるわけ方として突発性潜因性症候性にわけられます。

・突発性…病気の原因は不明だが、好発年齢がある

・潜因性…脳になんらかの病気の原因があるが、病態(病気の状態)が不明。

・症候性…脳の先天奇形、脳腫瘍、脳血管障害などの器質性病変

(脳が損傷をうけた結果、不具合が生じている状態)が原因。

この他に、「焦点性(部分性)か全般性かが決定できないてんかん」として新生児発作などがあります。

局所性てんかんの代表例

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局所性てんかん
突発性 良性小児てんかん
症候性 ・側頭葉てんかん
・前頭葉てんかん
・頭頂葉てんかん
・後頭葉てんかん

全般てんかんの代表例

全般てんかん
突発性 ・若年性欠神(けっしん)てんかん
・若年性ミオクロニーてんかん
潜因性・症候性 ・West症候群
・レノックス・ガストー症候群
・ミオクローヌス欠神(けっしん)てんかん

症候性てんかんは、原因となる疾患にたいする治療が必要なものもふくまれています。

てんかんの原因

てんかんの原因は、40%以上が原因不明の突発性です。

症候性てんかんのおもな原因

周産期異常(出産前後の期間での異常)→胎児死亡、低酸素、分娩外傷など

先天奇形

脳血管障害

頭部外傷

脳腫瘍

・脳炎・髄膜炎

・代謝異常

・結節性硬化症

・Sturge-Weber(ステージ・ウェーバー)症候群

%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%82%b9成人発症のてんかんは、 脳腫瘍や脳血管障害の最初の症状として出現することが

あるので、見のがさないことが重要です!

てんかん発作の病態

【正 常】
ニューロン(神経)から別のニューロン(神経)におくるシグナルは…
抑制性シグナル=興奮性シグナル(バランスがとれている)

【てんかん発作】
ニューロン(神経)から別のニューロン(神経)におくるシグナルは…
抑制性シグナル<興奮性シグナル(バランスがとれていない)

【てんかん発作のおこり方】
興奮性シグナルが過剰となる

大脳皮質にシグナルが伝わる

大脳皮質の神経細胞の過剰な興奮

てんかん発作がおこります

このバランスがくずれ、興奮性シグナルが過剰となる要因としては
①抑制性シグナルの減弱
②興奮性シグナルの過剰だけが原因
③シグナルをうけとる受容体の異常などが考えられています。

てんかん発作の種類べつの症状

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単純性部分発作

大脳半球の局所的な過剰興奮により、過剰な興奮がおこった部分に応じてさまざまな症状がみられます。
過剰な興奮がおこった部分以外は、発作時でも正常な脳波を保ちます。
発作中の意識は保たれます

この発作は全世代でおこる可能性があります。

【前頭葉の障害】
運動発作…顔や手、足の一部のけいれんなど

【頭頂葉の障害】
体性感覚発作…体の一部のピリピリ感など

【側頭葉の障害】
自律神経発作…腹痛、悪心、発汗など
精神発作…未視感→見慣れたはずのものが未知なものに感じられる
既視感→一度も体験したことがないのに体験したことのように感じる
不安感など

【後頭葉の障害】
視覚発作…ピカピカ感など

Jackson(ジャクソン)発作とは…

単純性部分発作の特徴的な発作です。
脳に過剰な興奮がおこった反対側の顔、上肢、下肢を順に移動していきます。
例)
右半球中心前回という部位で興奮がおこる

左側の顔にけいれん

左上肢にけいれん

左下肢にけいれんがおこる。

けいれんをおこした手や足がけいれん後に一過性に麻痺をおこすことがあり、Todd(トッド)麻痺

よばれます。

複雑部分発作 %ef%bc%93%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%82%b9

側頭葉から前頭葉にかけての局所的な過剰興奮によることが多いです。
発作中の意識はなくなっています

脳波では、脳に過剰な興奮がおこった部分以外でも、発作時に広範な過剰放電がみられます。

学童期以降におこる発作です。

【発作のでかたの2パターン】

(バターン1)
単純部分発作がおこる

複雑部分発作

意識障害

(バターン2)
最初から意識障害で始まる。

特徴的な症状は?

自動症という特徴的な症状があります。

自動症の症状とは…
・口をもぐもぐさせる。
・下なめずりをする。
・ボタンや衣類をいじる。
・徘徊するなど。

欠神(けっしん)発作

全般発作(両側の大脳半球が同時に過剰放電して始まる)で、小児期の女児に多いてんかんです。

突然5~15秒意識が消失し活動を中断するが、すぐに元に戻り、活動を再開する。

【欠神発作をおこすてんかん】
小児欠神てんかん
若年性欠神てんかんなどがあります。

ミオクロニー発作

全般発作(両側の大脳半球が同時に過剰放電して始まる)で、身体の一部(顔面、四肢、体幹)または全身に、突然の瞬発的な筋肉の収縮がおこります。
また、軽度の意識障害をともなうこともあります。

新生児期~小児期に好発するてんかん発作です。

【発作のでかた】
光刺激で誘発

身体の一部または全身の瞬間的な筋肉の収縮

【ミオクロニー発作をおこすてんかん】
乳児期重症ミオクロニーてんかん
若年性ミオクロニーてんかん
レノックスガストー症候群
ミオクロニー欠神てんかんなどがあります。

脱力発作

全般発作(両側の大脳半球が同時に過剰放電して始まる)で、失立発作ともいいます。
幼児期に好発するてんかん発作です。

【発作のでかた】
全身または一部の筋肉が突然脱力する

膝がおれたり、首がガクッと前にたおれたりする。

そのまま倒れてしまうこともある。(失立発作)

顔面や頭部の外傷をおこしやすく、危険な発作です。

【脱力発作をおこすてんかん】
レノックスガストー症候群などがあります。

強直間代(きょうちょくかんたい)発作

全般発作(両側の大脳半球が同時に過剰放電して始まる)で、全世代におこる可能性のある発作です。

【発作のでかた】
叫び声をあげて意識の消失

筋肉が硬直して固くなる。
↓ 繰り返すと
四肢がガタガタ震える、失禁などがおこり、意識が消失する。

【全身の筋肉の硬直がおこった場合】
弓なり姿勢(後弓反張という)になることも多い。

眼球上転瞳孔散大

呼吸停止によるチアノーゼ(血液中の酸素がへって、皮膚や粘膜が青紫になる)などがおこることもある。
          ↓強直発作に引き続き、間代発作がおこった場合
泡状の唾液を口からだすことがある。

失禁

四肢の屈曲・伸展(両手足を曲げたり伸ばしたりする)

          ↓発作後は…

睡眠 or もうろう状態になる。     

    ↓

正常にもどる

【強直間代(きょうちょくかんたい)発作をおこすてんかん】
レノックスガストー症候群などがあります。

てんかんの治療

症候性てんかんの一部では原因疾患の治療を行う場合がありますが、薬物両方が主体となります。

坑てんかん薬の治療

坑てんかん薬は脳神経細胞の異常な興奮をおさえることを目的としているため
「眠気」「ふらつき」といった副作用をともなうことがあります。

【妊婦と抗てんかん薬】 %e5%a6%8a%e5%a9%a6
・妊娠初期に抗てんかん薬を服用することにより、胎児に先天奇形を生じる可能性が高まる場合があります。

・抗てんかん薬を使用しなければ、てんかん発作により早産、死産につながる危険性が高まります

【挙児希望(子供がほしい)女性患者は…】

奇形発現率をできる限り少なくする薬の選択と必要最小限の投与量のコントロールを目指し、 葉酸の補充などを妊娠前からおこないます。

てんかんの外科手術

難治性てんかんの一部に外科的治療が有効なものがあります。
脳に過剰な刺激部位が限局していて、切除可能な患者が対象となります。

【難治性てんかんとは…】
適切な薬物治療を長年おこなっても、発作のコントロールが困難なものをいいます。

術前検査により
・焦点部位(脳に過剰刺激がおこる部位)
・優位半球(多くの人は左側)
・焦点部位の機能などを調べる
     ↓
てんかんの焦点部位(脳に過剰刺激がおこる部位)が優位半球ではなく、
機能的に切除をしても重要性がひくい場合
     ↓
外科手術をする

【2種類の外科手術の方法】
・切除術…焦点部位(脳に過剰刺激がおこる部位)を切除する。

・遮断術…焦点部位(脳に過剰刺激がおこる部位)からの連絡を遮断する。

乳幼児の全身けいれん

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乳幼児にみられる全身けいれんを2種類、紹介します。

熱性けいれん

6カ月~6歳の乳幼児(特に1~2歳に好発)にみられ、発熱をともなう全身けいれんを熱性けいれん
いいます。

【けいれんのでかた】
38℃以上の高熱(上気道炎などが原因)

左右対称の強直発作、強直間代発作がおこる

・発作は、数分以内におさまり、短時間で再発することはありません。

・短い発作の場合→安静、臥床とし、経過観察のみでよいとされています。

・発作が長時間(おおむね30分以上)持続する場合→てんかんの場合と同様の治療が必要となります。

・発作を繰り返す場合は、有熱時にけいれんの予防薬が必要となる場合もあります。

・一般に予後は良好で、6歳頃までには自然消失します。

憤怒(ふんぬ)けいれん

6カ月~3歳の乳幼児が、はげしく泣いた後にチアノーゼ(血液中の酸素がへって皮膚や粘膜が青紫色になる)
または、蒼白になったり、意識消失をともなっておこす短時間の全身けいれんで、「泣き入りひきつけ」とも
いいます。

乳幼児の約5%にみられる良性の疾患で、予後は良好で治療も不要です。

【けいれんのでかた】
激しく泣いて、突然呼吸停止

意識消失やチアノーゼ、けいれん

短時間で意識回復

最後に…

「けいれん」は長時間持続したり、発作後に意識が回復しないうちのつぎの発作が始まる場合は死亡率が
たかまってくる
場合があり、初期治療が重要となってきます。

また、「てんかん」という疾患は、小児期だけにおこるものではなく全世代におこる疾患であり、脳血管障害
脳腫瘍の初発症状として出現する可能性もあります。

これらの危険なサインと見逃さないようにしましょう。

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hamamoto

hamamoto

医学の大好きなHAMAMOTOです。
病気や健康について、皆さまに分かりやすく紹介していきたいと頑張っています!(^^)!
現在、鍼灸治療院を経営し、皆さまの健康にたずさわっています。
平成13年に整体師として治療院をしつつ、平成16年にアロマコーディネーターの
資格を取得しました。
鍼灸治療院を開業したのは、2016年5月ではございますが、患者さまの治療と
皆さまへの健康にかんする情報発信に頑張っていきたいと思っています!
鍼師免許 第171865号
灸師免許 第171571号
ウェブサイトURL:http://health-life.tokyo/
メールアドレス:koume3086@gmail.com

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