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【糖尿病の基礎知識】4つの種類とその症状・治療の基本とは

糖尿病
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 糖尿病の基礎知識として、糖尿病の症状や種類、基本の治療法や怖い合併症など知っておきたい知識を紹介していきます。家族や友人、近隣の方が患っている可能の高い病気です。
 自分がかかる可能性もあるのでまだ病気になっていないけど少し気になる方や、すでに健康診断などで予備軍として注意を促されている方は予備知識として確認してください。

そもそも糖尿病ってどんな病気なの?

あなたは糖尿病がどのような病気なのか知っていますか?
 糖尿病はそれ自体では命を落とすことはありませんが、適切な処置をしないで長い間放置していると怖い合併症を引き起こします。この合併症を予防するためには、初期段階のうちから適切な食事療法と運動療法で血糖を良好な値にコントロールを行うことが必要不可欠になります。

 早い時期から症状が改善されるような処置をとっていれば、症状を気にしないで生活できるほどの状態にまで改善することも可能な病気ですので、病気に対する正しい知識をそれほど恐れることなく深めていきましょう。

【正しく理解する糖尿病】その知識、間違っていませんか?

糖尿病対策を効果的にすすめるためには、まずはじめに病気について正しく理解することが重要になります。ですが、現状ではこの病気を誤解している方も少なくないようで、一緒に正しい糖尿病についての知識を確認して行きましょう。

【糖尿病に関して誤解されがちなポイント】糖尿病理解度チェック

Q.糖尿病は甘いものを取り過ぎると発症するの?

A.×
 甘いものは血糖値を上昇させますが、糖尿病はそれだけが原因ではない。糖尿病の発症は脂肪の摂取量との関係が深いとされていて、世界的に見ても脂肪の摂取量のが多い民族ほど糖尿病の発症が多くみられるようです。

Q.糖尿病は尿に糖が出る病気?

A.×
 糖尿病の場合は、血液中の過剰な糖が尿中に漏れ出ることはあります。ですが、尿に糖が出ていなくても糖尿病であるケースも少なくありません。さらにいうと、糖尿病以外の原因でも尿に糖が出る場合もあります。

Q.糖尿病は遺伝するの?

A.△
 両親いずれかに糖尿病の方がいたり、または祖父母などの血縁者に糖尿病患者がいる場合は、そうでない人に比べると糖尿病になりやすいという意見もあります。ですが、そのような状況の方であっても糖尿病にならない人がいることも事実です。

Q.1回の食事量は少なめにして、回数は多ければ多いほどよいの?

A.×
 食後は血糖値が上昇しますが、すい臓からインスリンが分泌されて血糖値は低下します。食事を3回真面目に取ってなおかつ間食を頻繁におこなっているようでは、常にすい臓が休まる暇がないのです。食事量を少なめにすることは有益ですが、だらだら食べになるのはよくありません。毎日の食事リズムを整えることも大切です。

Q.糖尿病の治療は、自覚症状が出てからでもいいの?

A.×
 糖尿病の中でもよく見られる「だるさ」「口渇(こうかつ)」「多飲」「多尿」などの症状が現れた時には、病状がかなり進行しているケースが多いです。症状がなくても「糖尿病」と診断されたら、自覚症状が無くても治療や生活習慣の改善を行わないといけません。

Q.糖尿病を発症したら、インスリンを注射しなければ症状の改善はない?

A.×
 初期段階の糖尿病であれば、食事療法や運動療法でほぼ健康な人と同じ程度まで血糖値をコントロールできます。また、のみ薬で治療することも可能です。

Q.やせている人は糖尿病にならないの?

A.×
 肥満の人はやせている人に比べて糖尿病になるリスクは高いです。ですが、日本人の糖尿病患者の多くは肥満ではありません。また、多くの日本人は糖尿病になりやすい体質をもち、やせていても糖尿病を発症することがあります。

糖尿病はどういった状態になると確定される?

2回の検査で確定される糖尿病・糖尿病診断の流れ

初回血糖値検査

下記のいずれかに該当した場合「糖尿病型」と判定します
①早期空腹時血糖値が136mg/dl以上
②75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)の2時間値が200mg/dl以上
③随時血糖値が200mg/dl以上

※早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満または75gOGTTの2時間値が140mg/dlである場合は「正常型」と判定。「糖尿病型」「正常型」いずれも属さない場合は「境界型」と判定されて経過観察となります。

「糖尿病型」で下記に該当すれば「糖尿病」と診断されます
・過去に「糖尿病型」を示した検査データがある
・口が渇く、多飲、多尿、体重減少などの症状がみられる
・HdA1cが6.5%以上
・糖尿病網膜症がみられる

※HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)

2回目血糖値検査

「糖尿病型」を再度確認

「糖尿病」と診断

※2回目の検査で「糖尿病型」が確認されなかった場合は「境界型」に準ずる扱いで(経過観察)となります

 クルマはガソリンという燃料を燃やして走行して行きます。それと同様に私たち人間の燃料は血液中にあるブドウ糖という血糖を使ってさまざまな活動を行います。血糖は食事からとる炭水化物(糖質)から作られます。そのため、食後には血糖値が上昇しますが、何かの活動で燃料として消費されると低下します。

 ですが、その血糖値は通常の変動であればある一定の範囲内にとどまっています。健康な人の場合、もっとも低くなる食事直前で約70mg/dl、食後は約140mg/dl未満です。だいたいこの範囲で変動しており、これを超えて血糖値が高い状態が続くことが糖尿病です。

 この血糖値は常に変動しており、たった1度、血糖値が高いことが確認されたとしても糖尿病と確定診断はできません。糖尿病の合併症や典型的な症状が確認されるなどの、あきらかに糖尿病であると判断できるものがある場合を除き、通常では日を改めておこなう検査で2回行われます。
 初回及び2回目の検査で高い状態の血糖値がつづいていることが確認された場合に「糖尿病」と診断されます。

糖尿病と心筋梗塞・脳梗塞の関係

 糖尿病で血糖値の高い状態が続くと血管がキズついて血流が悪化します。これをきっかけにさまざまな合併症が起こってしまいます。糖尿病での合併症は「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」が有名ですが、これらは細い動脈や毛細血管などの血管が損傷したためにおこります。

 しかし、ダメージを受けるのは細い血管だけではなく、太い動脈も傷んでくるのです。この太い動脈が傷んだことによって起きる合併症を総称して「大血管障害」といいます。その代表的なものが血管壁の傷んだ部分にコレステロールなどがたまって、血液の通り道がせまくなりもろくなる動脈硬化です。

 動脈硬化が進行してこの動脈がつまってしまうと、そこから先の血流が途絶えてしまい血液が届かない組織は死んでしまいます。このような事が脳でおこれば「脳梗塞」、心臓を動かす筋肉に血液を送っている冠動脈でこのようなことが起きれば「心筋梗塞」となります。

「心筋梗塞」「脳梗塞」を発症する可能性

 自覚症状がないためなのか糖尿病の初期に「心筋梗塞」や「脳梗塞」という言葉を聞いてもピンとこないかもしれません。ですが、糖尿病の人はそうでない人に比べて2~4倍心筋梗塞になりやすく、また2~3倍脳梗塞になりやすいといわれています。

 これは事実的なデータをもとに出している数値ですが、この事実を知らない糖尿病患者は意外と多いということも言われています。当然ですが、血糖値のコントロールがうまくいけばこうした事態を避けることは可能ですので、悲観してしまわなくでも大丈夫です。

 大切なのは、自覚症状が無いからといってけして糖尿病を甘く見ないことです。油断すると危険な状況になりうる病気だと自覚して、根気よく治療に取り組む必要があります。

なぜ血糖値は上がるの?その理由と仕組みとは

血糖値の調整とインスリン
 慢性的に血糖値が高い状態がつづくと、全身の血管を中心とした組織の形が変わる変成や本来の機能を失ってしまうなど、網膜症や腎症、動脈硬化や神経障害などさまざまな症状があらわれます。

 ですが、血糖値が低ければいいかというとそうではなく、適度な血糖は体の細胞がきちんと活動するために、エネルギー源となる血糖が必要になります。u>血糖値が低下すると、頭痛、だるさ、集中力の低下、意識障害などの深刻な問題が発生してしまいます。

 このように、血糖値が高くなりすぎたり低くなりすぎたりすると体に悪影響が及ぶため、人の体にはインスリングルカゴンというようなさまざまなホルモンの働きで、血糖を一定に保つような仕組みが備わっています。

 たとえば長時間食事が出来ず血糖を補給できないような場合は、肝臓や筋肉に保存された糖質をブドウ糖に変えて、血糖値を高めるグルカゴンというホルモンが働きます。逆に、食事によって血糖値が高まると血糖値を下げる働きのあるインスリンというホルモンが分泌されますが、糖尿病の人はこのインスリンがスムーズに機能しないために高血糖状態に陥ってしまいます。

インスリンの働きと特徴とは

 血糖値を下げる働きを持つホルモンの「インスリン」は、すい蔵のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されます。インスリンは食事によって血糖値が高まると、それに合わせてたくさん分泌されます。

 インスリンは細胞が血液をエネルギー源として利用することを助けたり、血糖をグリコーゲンという物質や脂肪に変えて臓器や皮下などに貯蔵します。このことが結果的に血糖値を下げる方向に働きます。

 ですが、インスリンが分泌されているというだけで必ず血糖値が下がるかというとそうではなく、インスリンが血糖値を下げる作用を発揮させるためには、インスリンと結合して細胞内の活動を促す「インスリン受容体」という物質が必要になります。

 インスリンとインスリン受容体は、例えて表現するとカギとカギ穴のような関係にあります。このインスリン受容体は体中のほとんどの細胞にあり、特に肝臓や脂肪細胞、筋肉などに多く存在しています。

 そのインスリン受容体にインスリンが結合することではじめて、細胞はブドウ糖をエネルギーとして使用することができますし、グリコーゲンといった別の形にして貯蔵することもできます。

問題視されるインスリンの作用不足の原因とは

 糖尿病はインスリンの作用不足によっておこる病気です。このインスリン作用不足には「相対不足」「絶対不足」の2タイプがあります。

「相対的不足」

 相対的不足とはインスリンが十分に分泌されて血液中に存在しているにも関わらす、インスリン受容体が正常に働かないために、インスリンの効きが不十分となります。この事をインスリン抵抗性があるともいいます。

「絶対不足」

 絶対不足とは血液中のインスリンの量が絶対的に不足している状態のことをいいます。絶対不足はすい臓のランゲルハンス島のβ細胞が破壊されることによっておこるケースが多く、このタイプの糖尿病のことを「1型糖尿病」と呼びます。

 日本人の糖尿病患者のうち約9割はインスリンの相対的不足で、インスリン抵抗性を起こらせる「2型糖尿病」ということです。このインスリン抵抗性があると、すい臓のランゲルハンス島にあるβ細胞はインスリンの過剰生産を迫られる高インスリン血症になります。

 これによって初期段階ではかろうじて血糖値を保つことができますが、インスリンの過剰生産が続くとβ細胞に大きな負担がかかるため、何年かたつとβ細胞はインスリンの生産出力機能が低下してインスリンの血中濃度も下がります。そして結果的に「絶対的不足」に至るケースがあります。

糖尿病患者の9割以上をしめる2型糖尿病とは

環境要素+遺伝的要素で発症
 糖尿病患者には大きく分けて4タイプありますが、その中でも圧倒的に患者数の多いタイプがこの2型糖尿病です。2型糖尿病を引き起こす原因としては遺伝的要素と環境要素があるとと言われています。

 遺伝的要素とは、両親や祖父母に糖尿病患者がいる場合は、いない場合に比べて糖尿病にかかるリスクが高まることをいいます。糖尿病がどのような仕組みで遺伝するか詳しい事は解明されていないようですが、両親とも糖尿病の場合では、子供が糖尿病になる確率はかなり高いようです。

 そのため患者同士の結婚は主治医や家族などによく相談して、自分たちの子供が糖尿病にかかる確率が高いということと、病気にかかりにくいように育てる事がより大切になります。

 ですが、親が糖尿病でも子供が糖尿病にならないことも多いようで、糖尿病を引き起こす要素は遺伝だけではないことの研究も進んでいます。一緒に生活する家族はとくに食生活に関係があるようですが、似たよな生活習慣を持つ場合が多いので、これらも多少は関係しているのかもしれません。

 これに加えて糖尿病を引き起こすインスリンの働きを悪くする要素には、「過食」「肥満」などがあげられます。過食が糖尿病を引き起こす理由は可食によって大量の糖質を摂取することで、血糖中に大量のブドウ糖が送り込まれてしまうためです。

 このような状態になると、インスリンがいくら働いてもその処理が追いつかないで、インスリンを生産するすい臓のβ細胞も疲れて血糖値の調節がスムーズにできなくなってしまいます。

 肥満が糖尿病を引き起こすのは、血液中の血糖が行き場を失いってしまい上がっていく一途をたどるということになります。例えていえば肥満の状態が続くと細胞はこれ以上の栄養素はいらないと判断して、ブドウ糖の取り込みを拒絶するため血液中の血糖は増え続けます。

 遺伝的要素にこのような好ましくない食生活などの環境が重なると、糖尿病を発症する可能性が高まります。遺伝的に糖尿病になりやすい体質であると思われる人は、「自分は生活習慣が乱れると糖尿病になりやすいかも」という自覚を持って生活するように心がけましょう。

☆糖尿病のタイプは4つに分けられます。

・1型糖尿病

 すい臓のβ細胞が破壊されて、インスリンが出なくなることで起こります。そのため、インスリン注射が不可欠になります。

・2型糖尿病

 生活習慣と遺伝的要因が重なった結果、インスリンが十分に作用しなかったり、分泌量が少なくなったりで発症します。

・妊婦糖尿病

 妊娠をきっかけに、または妊娠中に発見される糖代謝異常です。はっきり糖尿病と診断された場合は含まれません。

・その他の糖尿病

 主にすい臓の病気で、ホルモンの病気など他の疾患によって起こります。また、遺伝子異常やステロイド剤などの副作用で発症する場合もあります。

 糖尿病には大きく分けて4タイプに分けられます。「1型糖尿病」は、インスリンを分泌するすい臓のβ細胞がこわれることで、インスリンがほとんど分泌されなくなりおこります。「2型糖尿病」は日本人の糖尿病患者の約95%以上を占めるともいわれ、インスリンの働きが何らかの原因で悪くなったり、必要量のインスリンを十分に作れなくなったりすることで発症します。またその他に、別の病気や遺伝子異常、ステロイド剤などの副作用が原因で起こる糖尿病や、妊娠をきっかけに発症したり妊娠中にはじめて発見される妊娠糖尿病があります。

【糖尿病の症状】体がSOSを発信していませんか?

 「体がだるい」「疲れやすい」「体重の増減を繰り返す」「のどが渇く」「食欲が異常にある」などの症状はありませんか?こういった症状は糖尿病の初期症状といわれています。自分では気がつかないことが多く、「そういえば・・・」と後になって心当たりを思い出すケースが大半です。

 また、血縁者に糖尿病患者がいたり肥満気味の方は、このような自覚症状がないか自信の体調を注意深く観察して、早めの処置を心がけましょう。

 私たちは体内で何かの異常が生じたとき、それをなんらかの症状で自覚します。それは糖尿病の場合でも同じであり、下記のようにさまざまな自覚症状が現れます。
 「自分は太っていないから大丈夫」などといって安心するのはよくありません。なぜなら、初期症状はほとんどないのが糖尿病の特徴の一つで、病気がかなり進行・悪化した時にあらわれる場合が多いのです。

  • トイレが近くなる
  • ちゃんと食べているのにお腹がすぐにすく
  • 尿の臭いが密のように甘い
  • だるいかったり疲れやすかったりする
  • 急に視力が低下した
  • 足がむくむ
  • やたらと喉がかわく
  • 食事量は変らないのに体重が減った
  • 手足がしびれたり、ビリビリした感じがする。または痛い
  • キズが治りにくくなった
  • 意識がもうろうとしたことがあった

糖尿病治療は3つの方法で治療するのが主流です。

 糖尿病治療は、糖尿病のタイプや病態に合わせて、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つの治療法を組み合わせて行います。「食事療法」は、すべての糖尿病患者に必要なベースとなるものです。栄養バランスを考えながら、過不足なく必要な栄養素を摂取して、血糖をコントロールします。

 「運動療法」は肥満の解消だけでなく、続けることでインスリンの働きを良くするなどの効果も期待できます。症状が重いときや、改善がみられないときは飲み薬の経口血糖降下薬や、インスリン注射による「薬物療法」を加えていくという流れになります。

ほんとに怖いのは糖尿病はさまざまな合併症状を引き起こす所!

 全身にさまざまな合併症状を起こすことが糖尿病の怖いところ。とくに目立つのは、特徴的な糖尿病の症状で「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」は“糖尿病3大合併症”とも呼ばれ、そのまま放っておくと深刻な事態を招きます。

 「糖尿病網膜症」は上位にある成人後の失明原因の一つで、「糖尿病腎症」は透析の原疾患第1位です。「糖尿病神経障害」は血行障害とともに、ひどくなると皮膚の潰瘍(かいよう)や足の壊疽(えそ)にまでいたることもあります。

 このような深刻化する可能性のある合併症は、適切な血糖コントロールによって防ぐことが出来るものなので、症状を進行させないように生活習慣を改善することが大切です。

【糖尿病網膜症】

 カメラでいうとフィルムの役目をつとめる部分を網膜といいますが、常に正常な画像を受けとるために酸素や栄養素を運ぶ、きわめて細い血管である細小血管が網膜には網の目のように張り巡らされています。

 糖尿病をそのまま放置して高血糖状態が長く続くと、この細小血管がダメージをうけてしまい小さなコブのように膨らむ毛細血管瘤(もうさいけっかんこぶ)や小さな出血が網膜にできるようになります。

 また、細小血管の一部が梗塞になりふさがって通じなくなると、その部分には血液が流れなくなるので白斑(はくはん)が現れるようになります。これは「単純網膜症」といわれます。

 この単純網膜症の段階では視力低下などの障害を自覚することは少ないですが、それを放置しておくと細小血管の出血がひどくなり、これを補うために新しい血管が出来るようになります。

 この新しくできた血管がちゃんと機能すれば問題は無いのですが、とてももろくで壊れやすいという難点があるためにできては破れを繰り返します。そうすることで単純網膜症はどんどん悪化して「増殖網膜症」になり、これがさらに悪化すると失明する可能性が高くなります。

糖尿病
↓合併症
単純網膜症
 毛細血管からにじみ出た血液が網膜に染みついて斑点(白斑)を作ったり、ところどころで小さな出血(点状出血)をおこします。
↓悪化
増殖網膜症
 毛細血管の働きを補うためにできた新生血管が、ガラス体のなかで出血を起こす。
↓悪化
失明

【糖尿病腎症】

 糖尿病によって特にダメージを受けやすい細小血管にひとつに、腎臓の細小血管があります。血液をろ過する腎臓は、体内の老廃物や毒素となるような不必要なものを尿として体外に排泄します。ですが、一方では必要なものを血液にもどすという重要な働きもしています。

 この機能を担当している部位を「糸球体」といいますが、糸球体は細小血管が集中している組織なので、糖尿病によって損傷される影響の大きい場所になります。糸球体の細小血管が傷むと老廃物をろ過する機能が低下して、からだにとって毒となるものが残り、必要となるたんぱく質などが尿中に捨てられることとなってしまいます。

 この段階での自覚症状は少なく、これが悪化すると「腎不全」となり、最悪の場合は「尿毒症」という命にかかわる状態におちいることになります。腎不全が末期になると人工透析を受けなければならないので、時間的にも精神的にも大きな負担を強いられることになります。

【糖尿病神経障害】

 糖尿病神経障害は上述した合併症より、早い段階から多くの糖尿病患者に現れる合併症になります。高血糖状態が続くと細小血管だけでなく末梢神経にも変性が生じ、さまざまな神経障害があらわれることになります。

 神経障害は一般的に体の末端から始まりますので、手足の先がしびれたり傷んだり、または冷たく感じたりするような症状を感じるようになります。とくに気を付けたい糖尿病神経障害は、手足の冷たさやしびれを感じられなくなった時です。

 神経繊維の損傷がひどくなると痛みやしびれを感じることができなくなるので、症状が消えたからということで病気が治ったと勘違いしてしまわないように注意が必要です。靴ずれや皮膚のけがなどのちょっとしたキズでは痛みを感じなくなり、最悪の場合はケガした状態に気づかないまま放置していると、それが患部の壊疽(えそ)を起こす危険性もあるので十分に気をつけたいものです。

合併症の一例

糖尿病神経障害、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、糖尿病網膜症、白内障、緑内障、歯周病、心筋梗塞、狭心症、糖尿病腎症、排尿障害、ED、閉塞性動脈硬化、潰瘍、壊疽、こむら返り、足白癬(水虫)

糖尿病の基礎知識、ここまでのまとめ

 戦後から大きく変化した食生活の影響を受けている可能性の高い糖尿病。自覚症状のないまま状態を悪化させてしまうととても危険な合併症になる可能性があるため、定期的な健康診断などの血糖値チェックが大切になります。

 また、普段から食事の内容や運動に気を使わないと、知らない間に怠惰な生活を繰り返してしまいがちですので、少し疲れやすくなったり何か自分の体がおかしいと感じたら身の回りをあらため直したら好転の兆しがみつかるように思います。

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takemasa

takemasa

家族が糖尿病治療を行っていることもあり、その改善方法や病気との付き合い方、さまざまな健康について勉強しています。自分が参考にした知識の内容を備忘録のような感じでまとめています。
メールアドレス:kinoko885522☆yahoo.co.jp
なにかあれば☆を@に変えて送信してください。

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