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【認知症の基礎知識】認知症の種類・症状・治療可能なものや予防によい栄養を一挙公開しています。

脳血管障害
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認知症とは、いったん正常に発達した「記憶」「学習」「判断」「計画」といった脳の知的機能(認知機能)
が、後天的な脳の障害や病変などによって持続性に低下し、日常・社会生活に支障をきたす状態をいいます。

日本の認知症の推定有病率は75~79歳人口の約10%、80~84歳人口の約20%、85~89歳人口の約40%、
人数400万人以上になります。

認知症は以前は「痴呆症」と呼ばれていましたが、2004年に厚生労働省より「認知症」と言いかえが決定
されました。

認知症の基礎知識

認知症の条件

・明らかな記憶障害がある

・記憶障害以外の認知機能の障害がある

(失語・失行・失認・遂行(すいこう)機能障害など)

※失語…声をだすのに必要な器官の異常はないのに言語機能が低下すること。
失行…実行しようとする意志があるのに正しい動作がおこなえないこと。
失認…感覚や知能などの一般的な精神機能がたもたれているのに、対象が何であるかわからないこと。
遂行機能障害…計画的・効率的に行動ができなくなること。

加齢による物忘れと認知症の違い

加齢による物忘れ 認知症
忘れ方 体験したことの一部を忘れる
(食事で何を食べたか忘れる)
体験したことの全体を忘れる
(食事をしたこと自体を忘れる)
自覚 もの忘れをしている自覚がある もの忘れをしている自覚がない
日常生活 支障ない 支障あり
進行 悪化はみられない 悪化していく
その他の症状 なし 判断能力の障害
遂行機能障害
見当識障害

※判断能力の障害…例)いつも同じ服を着ている

※見当識(けんとうしき)障害…「今はいつか」、「ここはどこか」、「この人はだれか」という状況判断が
できなくなる状態。

認知症の原因

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認知症は、脳血管性認知症変性性認知症があります。

脳血管性認知症は、 脳梗塞や脳出血によっての脳血管の障害によっておこるもので、
変性性認知症は、 加齢による脳の病的な老化にかんするものです。

変性性認知症はさらに3つの種類にわけられます。
変性性認知症→・Alzheimer(アルツハイマー)型認知症
       ・Lewy(レビー)小体型認知症
       ・前頭側頭(ぜんとうそくとう)型認知症

認知症の原因疾患の割合

Alzheimer(アルツハイマー)型認知症…50%
脳血管性認知症…20%
Lewy(レビー)小体型認知症…20%
前頭側頭(ぜんとうそくとう)型認知症…2%
混合型認知症・そのほか…8%

Lewy(レビー)小体型認知症は比較的あたらしい疾患概念で、1995年の国際ワークショップで現在の名称に
なり、Alzheimer(アルツハイマー)型認知症、脳血管性認知症とあわせて3大認知症といわれています。

認知症の原因となるその他の疾患

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原因 疾患
神経変性 ・Alzheimer(アルツハイマー)型認知症
・Lewy(レビー)小体型認知症
・前頭側頭(ぜんとうそくとう)型認知症
・進行性核上性麻痺
・ハンチントン病
脳血管障害 ・脳血管性認知症
外傷 ・慢性硬膜下血腫
・頭部外傷後遺症
感染 ・クロイツフェルト・ヤコブ病
・亜急性硬化性全脳炎
・進行性多巣性白質脳症
・脳炎・髄膜炎
・HIV脳症(AIDS脳症)
・神経梅毒(進行麻痺)
腫瘍 ・脳腫瘍
内分泌・代謝 ・甲状腺機能低下症
・ウエルニッケ脳症
・アルコール脳症
その他 ・正常圧水頭症

治療可能な認知症

神経変性疾患はもとに戻ることなく進行し、治療も困難なことが多いのですが、その他の認知症の
なかには、早期に治療をすることにより回復する場合もあります。

・正常圧水頭症(NPH)  ・甲状腺機能低下症
・神経梅毒       ・HIV脳症(AIDS脳症)
・慢性硬膜下血腫

原因の疾患の治療により認知機能の回復の可能性があります

認知症の症状

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認知症の症状は、大きくわけて中核(ちゅうかく)症状BPSD(行動・心理症状)のふたつに
わけられます。
中核(ちゅうかく)症状脳の障害により直接おこる症状で、認知症患者にはかならずみられます。
・記憶障害
・見当識障害…「今はいつか」、「ここはどこか」、「この人はだれか」という状況判断ができなくなる
状態。
・遂行機能障害…計画的・効率的に行動ができなくなること。BPSD(行動・心理症状)中核(ちゅうかく)
症状に付随して引きおこされる二次的な症状です。

遂行機能障害として、 不眠、はいかい、幻覚、もうそうなどがありますが、個人差が大きく、環境にも
影響されます。
中核症状よりも患者や家族のなやみ・負担の原因となる場合が多いのですが、適切な治療や対応で症状の
改善が期待できます。

認知症のきざしの症状

・認知症まではいっていないが、記憶や認知機能の低下が年齢相応以上にみられる状態を、
軽度認知(機能)障害を【MCI】といいます。

・本人や家族から認知機能低下の訴えがある。

・認知機能は正常とはいえないが認知症の診断基準をみたさない。

・複雑な日常生活動作に最低限の障害はあっても、基本的な日常生活機能は正常。

認知症と間違えられやすいもの

認知症と間違えられやすい状態として、うつ病による仮性認知症せん妄(せんもう)があります。

うつ病

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・うつ病では、 意欲の減退による記憶力の低下や注意障害など、ときに認知症に似た症状をしめす
ことがあります。(うつ病性仮性認知症という)

・うつ病から認知症に移行する、あるいは認知症にうつ病が合併する場合もあります。

認知症とうつ病のちがい

認知症 うつ病
基本症状 ・記憶や認知機能障害 ・抑うつ症状や心気的症状
感情 ・表面的、動揺 ・抑うつ気分の持続
記憶や認知障害 ・あり ・訴えるほどの低下はない
言語の理解や会話 ・困難 ・困難ではない
質問への応答 ・言い訳、作語、怒り、考えようとしない ・遅くなる、「わからない」という
日内変動 ・なし ・朝方に強く、夕方に軽快
典型的な妄(もう)想 ・物とられ妄想 ・心気妄想

※心気妄想…「ボケてもうだめだ」などという。

せん妄

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・せん妄では、 脳疾患や全身性疾患、外因性物質などによってあらわれる軽度の意識障害で、
睡眠障害や興奮、幻覚などが加わった状態
です。

・高齢者は薬剤によっておこる場合もあります。
認知症とせん妄のちがい

認知症 せん妄
基本症状 ・記憶や認知機能障害 ・注意や意識障害、幻視、運動不穏
身体疾患 ・ときにあり ・多い
発症様式 ・ゆるやか ・急激
持続時間 ・治らない ・数日~数週間(治る)
日内変動 ・なし ・夕方~夜間にひどくなる
睡眠障害 ・まれにある ・ある
環境の関与 ・なし ・多い

認知症の予防と栄養

歳をとっていくと「少食になった」という人がよくいますが、認知症になる高齢者はやせている人が
少なくありません。

やせて少食になる

脳に栄養がいかなくなる。
脳にいい食事とは一体、どういったものでしょう⁉

必要な栄養

抗酸化作用をもつ栄養素をとりましょう。
神経細胞や脳の血管も活性酸素による障害をうけます。 緑黄色野菜などにたくさん含まれるビタミンC・Eや
βカロテンをしっかりとりましょう。

多価不飽和脂肪酸をとりましょう。
アラキドン酸やEPA、DHAは、神経細胞の細胞構成分として必要です。
青魚、とり肉、油あげ、がんもどき、みそなど

ビタミンB群をたっぷりとりましょう。
アルツハイマー型認知症は、 ビタミンB6、B12、葉酸を補給することで、脳の萎縮の進行をおさえられた
という報告があります。
菜の花、枝豆、あさり、牛レバー、さんま、かつおなど

ケトン体をエネルギー源にしましょう。
脳はブドウ糖をエネルギー源としていますが、ブドウ糖が不足すると、非常用エネルギーとして
肝臓で脂肪酸から作られるケトン体を使います。
糖質をへらした脂肪中心のケトン食が認知症治療に効果があるとされています。

認知症を予防する地中海食

糖尿病や高血圧、動脈硬化症は脳血管障害型の認知症、糖尿病はアルツハイマー型の認知症の
発症リスクを高めます。
そこで気を付けたいのは、食事が炭水化物中心になっていないかということです。

炭水化物のとりすぎは血糖値の高い状態を持続させます。
そうならないように、主食をすくなめにした「地中海食」をとることをおすすめします。
「地中海食」のとりかたとしては、魚や野菜をたっぷりとるほか、くだもの、豆類、ナッツ類
オリーブオイルを使ってつくるもので、認知症リスクを減らすと言われています。

また、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸が効率よくケトン体を作るので、脳の栄養不足の改善に
役立つとされています。

クレタ島というところの人々の平均寿命が非常にながく、心疾患が少ないことから、推奨されるように
なった食生活で、ハーバード大学公衆衛生学のウイレット教授が作成した、地中海型食事のピラミッドが
しられています。参考にしてみてください。

地中海型食事のピラミッド
<たっぷりとったほうが良いもの>
くだもの、豆類、ナッツ類、野菜、

<毎日とったほうが良いもの>
オリーブオイル、チーズとヨーグルト、魚

<週に数回とったほうが良いもの>
とり肉、卵

<月に数回とったほうが良いもの>
甘味、肉

最後に…

神経変性疾患(アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など)は、もとに戻ることなく進行は
しますが、原因疾患の早期治療により回復の可能性があるものもあります。

また、アルツハイマー型認知症の場合は、アミロイドβたんぱくの蓄積が認知症の発症の20年程度前から
始まるといわれています。
最近は、アミロイドβたんぱくの蓄積をの検知するPETのアミロイドイメージングなどによって、
軽度認知障害(MCI)の時点での発見が可能になりつつあり、認知症の進行を抑制できる可能性がたかく
なってきているのです。
食生活を気を付けないといけないのは、もちろんですが、早期に診断し治療を開始することは、とても
重要なことです。

ライター紹介 ライター一覧

hamamoto

hamamoto

医学の大好きなHAMAMOTOです。
病気や健康について、皆さまに分かりやすく紹介していきたいと頑張っています!(^^)!
現在、鍼灸治療院を経営し、皆さまの健康にたずさわっています。
平成13年に整体師として治療院をしつつ、平成16年にアロマコーディネーターの
資格を取得しました。
鍼灸治療院を開業したのは、2016年5月ではございますが、患者さまの治療と
皆さまへの健康にかんする情報発信に頑張っていきたいと思っています!
鍼師免許 第171865号
灸師免許 第171571号
ウェブサイトURL:http://health-life.tokyo/
メールアドレス:koume3086@gmail.com

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